事務所ブログ

無戸籍の人々を救済へ

その他2019-06-07 (Fri)

 
 
 
出生届が出されず、戸籍がないまま生活している人たちがいます。

 

戸籍がないということは、身分を証明するものが一切ないということです。

そのため、就学通知が届かないので学校に通えない、健康保険証・運転免許証などが持てない、銀行口座が作れない、就職先を探しにくいなど生活に大きな影響を及ぼします。

 

そもそも、なぜ出生届が出されないのでしょうか……

それは民法の「嫡出推定」という規定が原因となっていることが多いのです。

民法772条

1. 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2. 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは
消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
 
嫡出推定の規定には、父子関係を早期に確定し子の身分の安定を図る目的があります。しかし、この規定のため、離婚は成立していないが別居中という場合などに、夫以外の男性との間にできた子供は、出生届を出すと夫の子供と扱われてしまいます。
 
離婚後300日以内に生まれた子供も同様に元夫の子とされてしまいます。(但し、例外的に離婚後の妊娠に限り医師による「懐胎時期に関する証明書」を添付して届け出るとにより、この推定は及ばないとする法務省の通達が出ています。)
出生届を出すと、実の父と戸籍上の父が一致しない状態が生じてしまうのです。
 
これを覆すには、嫡出否認の訴えが必要ですが、申立てができるのは戸籍上の父(夫や元夫)に限られており、子供本人や母から嫡出を否認することはできません。
 
夫のDVが原因で逃げている場合などに、協力が見込めない、連絡を取りたくないなどの理由により出生届を出さず、その結果として子供が無戸籍になってしまうのです。
 
 
無戸籍の人は、先月時点で判明しているだけで全国で827人いるとされていますが、この調査からもれていてる人も多く、実際はもっとたくさんの無戸籍の人がいるとも言われています。
 
 
この問題を解消するため、嫡出推定の見直しが来月の法制審議会で諮問されることになりました。
 
明治以来続いてきた民法の規定ですが、DNA鑑定などの技術が進み父子関係が科学的に明らかとなる今の時代に合わせてどう変わっていくのでしょうか。
 
 
 

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