事務所ブログ

相続法改正②

相続法改正2019-11-12 (Tue)

第2 遺産分割に関する見直し等

遺産分割制度に関して次のとおり、見直しや新たな規定が制定されました。

持ち戻し免除の意思表示の推定規定
まず、特別受益とは・・・

共同相続人が被相続人から遺贈を受けまたは婚姻養子縁組のため、もしくは生計の資本として受けた贈与のことをいいます。

この額を考慮せずに法定相続分どおりに遺産を分けると不公平が生じます。このような不公平を是正し、各相続人間の公平を図るため、特別受益分を考慮したうえで具体的相続分を計算することを「特別受益の持ち戻し」と言います。
次に、特別別受益の持ち戻し免除の意思表示とは・・・

被相続人が持ち戻しを希望しない意思表示をした場合に、特別受益を考慮せず相続財産を計算することをいいます。

 

改正民法903条4項により、婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用建物・敷地権の遺贈・贈与の場合には、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されます。 配偶者居住権が遺贈または死因贈与された場合についても同様です。

 

預貯金債権の仮払い制度の創設
平成28年12月19日最高裁判決により、「相続された預貯金は遺産分割の対象となり、遺産分割が終了するまでの間は、相続人全員の同意がない限り、相続人単独での払い戻しは原則としてできない。」とされました。そのため、本来ならば相続人全員の同意が必要なところを、次の2つの制度で対応することで、相続人の生活費、被相続人の葬儀費用、債務の弁済など緊急の資金需要に対応できるようになりました。

 

A: 家事事件手続法の保全処分

要件は次のとおりです。
・遺産分割調停または審判の本案が家庭裁判所に係属していること
・相続財産に属する債務の弁済相続人の生活費の支弁等の必要性があること
・他の共同相続人の利益を害しないこと

メリット:引き出し額に上限なし

デメリット:仮払いの必要性疎明など費用と時間がかかる

B: 家庭裁判所の判断を経ない預貯金払戻し

相続開始後遺産分割終了までの間、一定の上限を設けた上で、裁判所の判断を経ることなく、金融機関の窓口において貯金の払い戻しを受けることができる制度です。

相続人が単独で払い戻しをすることができる額=
(相続開始時の預貯金債権の額 (口座基準))×1/3 ×当該払い戻しを求める共同相続人の法定相続分

※払い戻しを認める上限額は、標準的な当面必要生計費や平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して法務省令で定める

払い戻しを受けた共同相続人が これを取得したものとみなされます。

遺産の一部分割

一部分割ができるかについてこれまでの民法は、規定を欠いていましたが、改正民法907条一項により一部分割が明文で認められました。

また、遺産の分割前に遺産に属する財産の処分がされた場合の遺産の範囲も規定されました(改正民法906条の2)。

共同相続人全員の同意により処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができ、共同相続人の一人または数人により財産が処分されたときは、当該共同相続人については同意を得ることを要しないと規定されました。

無料相談・お問合せ

どんなささいなことでも構いません。専門家が対応いたしますのでご安心ください。

06-6335-7396
受付時間 9:00~18:00(土日祝休)
06-6335-7397(24時間受付)