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相続法改正④

相続法改正2019-11-12 (Tue)

第4 遺留分制度に関する見直し

【遺留分侵害額の算定方法(内容は現行民法の解釈と変更なし)】

遺留分算定の基礎財産の価額の計算式

遺留分を算定するための財産の価格=(被相続人が相続開始の時において有した財産の価格+(被相続人の贈与財産の価額)-(被相続人の債務の全額)

遺留分の計算式

遺留分額=(遺留分を算定するための財産の価格)×(改正民法 1042条1項1号または2号に規定する遺留分の割合) ×(遺留分権利者の法定相続分)

遺留分侵害額の計算式

遺留分侵害額 =(改正民法1042条の規定による遺留分額)-(遺留分権利者が受けた遺贈又は特別受益の価格)-(900条から902条まで、903条及び904条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価格(寄与分による修正は考慮しない))+(899条の規定により遺留分権利者が承継する相続債務の額

※① に加算される生前贈与の範囲
・相続人以外に対する贈与: 相続開始前1年間にしたものに限る
・相続人に対する贈与: 特別受益に該当し、かつ、相続開始前10年間にされたものに限る
・当事者双方に害意がある場合には贈与の時期を問わず算入される
・ 持ち戻し免除の意思表示がある場合でも特別受益は遺留分減殺請求の対象となるものと解されている

※③ における遺留分権利者の特別受益の額
・相続人に対する贈与相続開始前10年間にされたものに限定しない

・遺留分に関する権利の法的見直し

 

【遺留分減殺請求権から遺留分侵害額の請求権へ】
旧民法
 名称: 遺留分減殺請求権(形成権)
 行使の効果等: 物権的効果(遺産の共有状態)

 受遺者・受贈者は減殺を受ける限度で価格による弁償権あり

改正民法
 名称: 遺留分侵害額の請求権(形成権)
 行使の効果等: 遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずる(金銭債権の一本化)
 裁判所は受遺者又は受贈者の請求により支払いにつき、相当の期限を許容すること可

遺留分侵害額の請求権: 短期消滅時効

遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間の不行使により消滅し、また、相続開始の時から10年経過したときも消滅。
※遺留分侵害額の請求権を行使することにより生じた金銭債権は、民法の一般の債権と同様の消滅時

【債権等の消滅時効】
第166条
1.債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

 

受遺者受贈者による遺留分侵害額の負担

①遺贈と贈与があるときは受遺者が先に負担

②遺贈が複数あるとき又は同時期の贈与があるときは、遺言者が遺言に別段の意思表示をした場合を除き目的価格の割合に応じて負担

③贈与が複数ある時は、後の贈与を受けた者から順次負担

受遺者受贈者の無資力による損失の負担

・遺留分侵害額の請求をした相手方が無資力であったため遺留分権利者が利益を受けられなかった場合でも、次順次の者に請求はできない。

→本来侵害請求を受けることのないはずの者が、先順次者の無資力によってリスクを負担することは条理に反するという考慮に基づくものです。

 

計算式が多くてわかりにくいですが、遺留分という最低限もらうことのできる相続分についての改正点でした。

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