法務省は、会社設立の手続きを迅速化するため、完全オンライン化に向けて動き出しています。
具体的には印鑑の届け出を不要とする商業登記法改正案を来年の通常国会に提出、再来年2月からの実施を目指します。あわせて、登記システムを改修することで、通常は最長3日かかる手続きが24時間以内に短縮できる見込みです。
会社設立には、「①設立登記の申請」、「②代表者の印鑑の届け出」が必要です。
申請自体はオンラインで可能ですが、印鑑については印鑑届出書や印鑑カード交付申請書を法務局に書面で提出する必要があります。この部分を、今後は電子証明書で行えるようにすることで、オンラインのみの手続きで完結するようになります。
株式会社の場合、設立登記とは別に定款の認証が必要となりますが、ともにマイナンバーカードの電子証明書を利用することで一括申請できるようになります。
現在では定款認証のため実際に公証人の面前に出向く必要がありますが、それが不要となるのです。
一方、マイナンバーカードにより社会保険や税などの手続きに必要な個人データを確認するシステムと、会社設立の手続きを連結させることで、会社設立後の各役所への届け出が不要となり、まさにワンストップで設立に関する手続きが完了するのです。
手続きのイメージは下の図のとおりです。 ↓↓↓
(内閣府大臣官房番号制度担当室作成資料より)
現実には、定款の内容を精査したり、資本金の払い込みの手続きをしたりと準備面でやることは多いので、思い立ってその日にすぐ会社設立ができるというわけにはいかないと思います。
それでも、登記申請における補正を少なくするためのシステムや、登記官の審査の手間を軽減する方策なども併せて検討しているとのことなので、今後どう変わっていくか注目していきたいと思います。