事務所ブログ

夫婦別姓は合憲

民法2021-07-02 (Fri)

先日、夫婦別姓を認めない民法及び戸籍法は合憲との判決が最高裁大法廷で出されました。

 

原告の主張は、簡単にまとめると次のとおりです。

 

民法750条・戸籍法74条は憲法14条・憲法24条に違反する。

 

民法750条:夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する

戸籍法74条:婚姻しようとする者は左の事項を届出に記載して、その旨を届け出なければならない。1夫婦が称する氏/2その他法務省令で定める事

憲法14条:すべて国民は、法の下の平等であって~~中略~~差別されない。

憲法24条:婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として~~中略~~法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 

これに対して、憲法違反ではないと判示されました。

 

その中でどのような制度と採るのが妥当かという問題と、憲法違反かどうかを裁判で審理する問題とは次元が異なる。制度の在り方は国会で議論され、判断されるべきだ」ともしています。

 

つまり、現状の民法及び戸籍法の規定は憲法に違反しないけれど、夫婦別姓の制度そのものがよいかどうかは国会で話し合って決めてくださいよと。

 

私自身は結婚する際に、何の疑問や不満も持たず夫の姓に変更したので、ここまで姓にこだわることに一定の理解はありつつも、正直あまり共感できずにいます。

 

この問題に関するNHKのネットニュース記事に「法務省によると夫婦が同じ氏を名乗ることが義務づけられている国は、把握できているだけで日本だけ」とありました。

しかも、民法の規定について女性差別だとして国連関連団体からから3回も勧告を受けていると。

 

確かに、昨今の国民の意識の変化や女性の社会進出を踏まえて考えてみると、夫婦別姓を必要としている人が多くいることも事実ですね。

 

一方で、「夫婦同姓≒家を絶やさない」ことを希望する考えもあります。

 

たまたま同時期に読んでいた『なんで家族を続けるの?』という本にこの問題に関する記述がありました。

 

樹木希林さんと内田裕也さんの一人娘である内田也哉子さんと脳科学者の中野信子さんの対談をまとめたものです。

 

中野さんは結婚し、夫の姓「中野」になりました。

家制度や夫婦別姓とかまったく考えず、単にダンナさんの「中野」姓のほうが自分に合っている気がしたという理由で。

 

一方の内田さんは19歳で本木雅弘さんと結婚されています。

このとき本木さんが「内田」に姓を変更しました。

 

希林さんが内田の姓を継いでくれるよう本木さんにお願いしたそうです。

理由は、裕也さんの姉妹はみなさん嫁いで内田姓を継いだ方がほかに残っておらず、也哉子さんが一人っ子なので内田姓を絶やすのは嫁として申し訳ないと考えたからです。

本木さんは三人兄弟の次男でお兄さんが既に結婚され後継ぎとなるお子さんも生まれていたため、本木姓は安泰ということもあり深く考えず了承しました。

 

しかし、本木さんのご両親がこのことをとても悲しんだと知り、也哉子さんと本木さんは姓とはこんなに重いものなのかと気づきます。

本木さんのご実家は16

代続く農家です。

中野さんは、「農家の方は作物が育つ土地への愛着があり、土地と自分は切っても切り離せないものだという感覚を持っている。農家で家を継ぐというのは土地を継ぐと同じだから、そこが途切れる感じが痛みを伴うところだったのでは」、

「その場所に長くいられたということは、つまりそこで生き延びられたという実績として脳に刻まれる。この土地に私たちは長くいられた。ここにいるのが一番安全だと無意識に思わせる、そこに居続けさせる仕掛けがどんどん強まる、それが郷土愛になる。」と分析しています。

 

農家ならではの土地への愛着と姓(家制度)への愛着は関連しているのだと。

 

 

様々な立場や感情を知ってしまうと、同姓・別姓を選べる「選択的夫婦別姓」の導入が最適解なのかと思ってしまします。

 

その分制度は複雑になってしまうでしょうが。

 

 

無料相談・お問合せ

どんなささいなことでも構いません。専門家が対応いたしますのでご安心ください。

06-6335-7396
受付時間 9:00~18:00(土日祝休)
06-6335-7397(24時間受付)