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相続法改正①

相続法改正2019-11-12 (Tue)

第1 配偶者の居住権を保護するための方策

配偶者の死亡により残された他方配偶者が、住み慣れた家に住み続けられるようにするために創設された配偶者居住権と短期配偶者居住権について見ていきます。

配偶者居住権 :
配偶者が被相続人所有の建物に、建物を相続しなくても、終身または一定期間という比較的長期の間、無償で居住を続けることができる権利です。

成立要件

配偶者が被相続人の所有建物に相続開始時に居住していた場合で次のいずれかに該当するときです。
①遺産分割によって配偶者居住権を取得するものとされたき
②配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
③家庭裁判所の審判があったとき

内容

・一部使用でも建物全部につき成立
・使用収益権あり
・譲渡の禁止
・配偶者居住権の取得と相続の価格
 →配偶者居住権を相続財産の一部と捉え、配偶者の具体的相続分から配偶者居住権の財産評価額を控除した残額について財産を取得
 例外: 婚姻期間が20年以上の夫婦間において配偶者居住権が遺贈された場合、被相続人の持ち戻し免除の意思表示があったものと推定
・配偶者以外の者との共有建物については不成立

期間存続

原則:配偶者の終身の間
例外:遺産分割協議、遺言、家裁審判において別段の定めをしたときはその定めによる

効力:登記が第三者対抗要件

登記事項:存続期間と第三者の使用収益の特約

居住建物の費用負担

通常必要費:配偶者
臨時の必要費及び有益費:居住建物の所有者負担

適法な第三者との関係

転貸借の効力の規定を準用
・合意による消滅があった場合
原則:適法な第三者に対抗できない
例外:配偶者の債務不履行が原因で配偶者居住権を消滅させた時は対抗可

消滅
① 期間満了
② 配偶者の用法遵守義務など違反 (消滅請求には相当期間を定めた催告が必要)
➂ 配偶者の死亡:存続期間満了前であっても配偶者が死亡した時は消滅
④ 居住建物の全部滅失:使用収益不可のため終了

・消滅により居住建物返還義務が生じる
 例外:配偶者が居住建物について共有持ち分を有する時

その他
・原状回復義務・附属物の収去義務・附属物の収去権あり
・損害賠償及び費用の償還請求権:建物返還から1年以内

 

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配偶者短期居住権 :

配偶者が被相続人所有の建物に、相続開始から遺産分割により建物の帰属が確定するなどの比較的短期の間、無償で住み続けることができる権利です。

成立要件

被相続人所有の建物に相続開始時に無償で居住していた場合、 以下の期間、居住建物に住み続けることができます。

  • 居住建物について遺産分割を要する場合、遺産分割によって居住建物の帰属が確定する日までの間(居住建物の帰属が6か月以内に確定した場合には6ヶ月)。
  • 居住建物が第三者に遺贈された場合や、配偶者が相続放棄した場合、居住建物の所有権を取得した者から配偶者短期居住権の消滅請求を受けた時から6ヶ月。

内容

配偶者居住権との差異
・一部使用していた場合はその部分のみ使用可
・ 収益権限はなし
・ 配偶者短期居住権による利益は相続財産の対象とならない
 (具体的相続部分からその価格を控除する必要なし)
・ 配偶者短期居住権の発生障害事由

 ✖相続の欠格事由や排除に該当、配偶者居住権取得したとき(cf.〇相続放棄)

・登記制度なし

・妨害排除なし

 

存続期間
① 遺産分割成立または相続開始6ヶ月経過のいずれか遅い日
② 配偶者短期居住権消滅の申し入れから6ヶ月経過する日

 

以上で配偶者居住権及び配偶者短期居住権について終わります。

 

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